TCFD推奨開示項目クライテリアは、TCFD提言で開示が推奨されている11項目(以下、TCFD推奨開示項目)について、各企業の開示内容がそれぞれの項目に沿った情報開示であるかどうかを検討するための判断基準です。各クライテリアは、気候関連財務情報開示に関するガイダンス3.0(TCFDガイダンス3.0)を元に、各TCFD推奨開示項目の主要な要素を抽出することで作成されました。
本資料では、下表のとおり、TCFD推奨開示項目のそれぞれを付番及び命名し、それぞれに紐付くクライテリアを定義します。
項目番号 | 構成要素 | 項目名 | クライテリア |
---|---|---|---|
01 | ガバナンス | 取締役会による監視体制 | 01-01: 取締役会が報告を受けるプロセス 01-02: 取締役会が報告を受ける頻度 01-03: 取締役会による気候関係問題の考慮 01-04: 取締役会によるモニター及び監督の方法 |
02 | ガバナンス | 経営者の役割 | 02-01: 組織的構造 02-02: 経営者が情報を受けるプロセス 02-03: 経営者によるモニターの方法 |
03 | 戦略 | リスクと機会 | 03-01: リスクと機会の検討における時間的範囲 03-02: 特定の時間的範囲での気候関連の課題 03-03: 財務的影響を与えるリスクと機会の特定プロセス |
04 | 戦略 | ビジネス・戦略・財務計画への影響 | 04-01: ビジネス又は戦略に与える影響 04-02: 財務計画に与える影響 |
05 | 戦略 | シナリオに基づく戦略のレジリエンス | 05-01: 2℃以下シナリオ 05-02: シナリオと時間的範囲 05-03: シナリオにおける戦略への影響 05-04: シナリオにおける戦略の対応 05-05: シナリオにおける財務計画への影響 |
06 | リスクマネジメント | リスクを特定及び評価するプロセス | 06-01: リスクを特定及び評価するプロセス |
07 | リスクマネジメント | リスクを管理するプロセス | 07-01: リスクを管理するプロセス |
08 | リスクマネジメント | 総合的リスク管理への統合 | 08-01: 特定及び評価プロセスの総合的リスク管理への統合 08-02: 管理プロセスの総合的リスク管理への統合 |
09 | 指標と目標 | リスクと機会の評価に用いる指標 | 09-01: 評価指標 09-02: 評価指標の過去の実績値 |
10 | 指標と目標 | Scope1、2の温室効果ガス排出量 | 10-01: 温室効果ガス排出量 10-02: 温室効果ガス排出量の過去の実績値 |
11 | 指標と目標 | リスクと機会の管理に用いる目標 | 11-01: 気候関連の目標 11-02: 気候関連の目標が適用される時間軸 |
本資料を使用する場合は、以下のように引用してください。
@article{jpxwp-tcfdcriteria-ja-2024,
title = {大規模言語モデルを用いたゼロショットテキスト分類によるTCFD推奨開示項目の自動判定},
author = {土井, 惟成 and 小田, 悠介 and 中久保, 菜穂 and 杉本, 淳},
journal = {JPX ワーキング・ペーパー},
volume = {43},
pages = {1--30}
year = {2024},
month = {3},
language = {ja}
}
本リポジトリのデータは株式会社日本取引所グループとシェルパ・アンド・カンパニー株式会社の共同研究による成果物です。
JPXワーキング・ペーパー | 日本取引所グループ https://www.jpx.co.jp/corporate/research-study/working-paper/index.html